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陸上短距離相談 Kさん

2015年3月11日 【トレーニング相談事例

陸上短距離相談 Kさん(男性)

相談内容

自己最高記録 は100メートル11秒8程度
練習内容 スプリントドリル、タイヤ引き走(タイヤの重さのみ)で30メートルダッシュ5本、150メートルのレペティション数本
週3日 1時間半程度
目標 100で10秒台、200で21秒台
・XXがスプリント能力を高めるには短い距離のダッシュよりも200等の比較的長めの距離を走った方がスプリントは高められますか?
・全身の連動性を高めれるトレーニングを教えて下さい
・骨盤の可動域を広げれるトレーニングを教えて下さい
・XXでも低回数高負荷の筋力トレーニングで最大筋力は向上できますか?それとも補強の方が良いですか?
・常に力んでしまうのでリラックスして走れる方法があれば教えて下さい
・力んでしまう原因に慢性的な肩こりがあるように思うのですが肩こりを取れれば力みは取れますか?
・最近は腹筋の側面が重要視されてきましたが、短距離走で特に必要な筋群の種類とトレーニング方法を教えて下さい
・ピッチが遅いのでピッチを高めれる方法を教えて下さい
・練習メニューの組み立てを教えて下さい
・トレーニング後のケア、栄養補給、睡眠の方法を教えて下さい

 

回答

まず、お知らせいただいた情報から、以下のようにコメントさせていただきます。
◆遺伝子タイプがXXということですので、体力のタイプからは、持久的競技に適性があると評価されます。しかし、短距離にもなかなかの記録を出していて、 かつ、立ち幅跳びが3m近くという素晴らしい記録で、背筋力にも優れていますので、目標とされている短距離の記録を出すことは、十分に可能だと考えます。
◆しかし、このXXタイプの特性を活かすためには、400mへのチャレンジもおススメします(トレーニング導入、レース出場)。そのことにより、優れた筋 の持久性をさらに伸ばし、活きてくるだけでなく、滑らかで効率の良い走り(動き)を身につけて、それが、200mや100mの走りにも良い影響を及ぼすと 考えるからです。また、持久系のトレーニングにより脂肪利用能力(AT能力とも言います)が高まると、現在でも、体脂肪率9%はまずまずですが、7%程度 まではシェイプでき、かつ、普段の練習の疲労もたまりにくい、回復しやすい、体力を身につけることができると考えます。
◆おおざっぱなお答えで申し訳ないのですが、遺伝子タイプからは、強く速い筋収縮時の収縮制御(力の出し入れ、ONとOFF、全力とリラックスなど)がう まくいかない可能性もあるようですので、それらを改善・強化できる、プライオメトリック・トレーニングや、初動負荷トレーニングを取り入れるとよいのでは ないでしょうか。また逆に、持久性には優れるタイプですので、その強みをさらに伸ばすために、400mのレース出場とトレーニングに取り組むこと、また、 できれば、いわゆる”朝練”(2部練)として、15~20分間の「やや速いジョギング」も取り組むこと、をおススメします。

 

次に、質問にお答えします。
なお、具体的なトレーニング手段(動作、負荷、頻度など)につきましては、おそらくご自分の経験も豊富だと想像しますし、少し調べたり、それぞれの専門家に詳細を相談されてほしいと思います。
◆「XXがスプリント能力を高めるには短い距離のダッシュよりも200等の比較的長めの距離を走った方がスプリントは高められますか?」
→確かに、XXタイプの特性(強み)を活かすためには、長めの距離、さらには、有酸素性運動も、有効です。上記のコメントがご参考になれば幸いです。
→長めの距離の練習も有効ですが、力に頼らず、強く大きな力を発揮して走る感覚を身につけるために、そういう感覚づかみ、動きづくりとして、短いダッシュを繰り返し行うことも有効と考えます。
→そういった感覚をつかみ、そういう動きができるようになるためのトレーニングとして、プライオメトリックスが有効です。
◆「全身の連動性を高めれるトレーニングを教えて下さい」
→プライオメトリックス、初動負荷トレーニングがおススメです。
→ハードルもよいと考えます。
◆「骨盤の可動域を広げれるトレーニングを教えて下さい」
→「全身の連動性を高めるトレーニング」は、骨盤可動域を広げることにも有効な種目があります。
→股関節周囲のPNFストレッチング、動的ストレッチングが有効です。
→バウンディングやハードルなど、できるだけ動きながら、走りに近い動きで骨盤の”動的”可動域を広げる取り組みが有効と考えます。
◆「XXでも低回数高負荷の筋力トレーニングで最大筋力は向上できますか?それとも補強の方が良いですか?」
→最大筋力は、筋量と筋の動員数(神経系)で決まりますので、XXタイプでも、例えば、筋の動員数を増すことで、最大筋力を高めることが可能であり、かつ、余計な筋肉をつけずに、大きく速い動きをするためには、低回数高負荷の筋トレは有効です。
→一方で、XXタイプの強みを活かすためには、補強系で、かつサーキット形式で、「乳酸を出しつつ、呼吸を追い込みつつ、速く大きく動かす」というトレーニングは、スプリント系の後半の動きや400mのパフォーマンス向上につながると考えます。
→ぜひ、これまでの筋トレや補強の内容と効果を振り返ってみて、目標とする記録・動きを達成できる、自分の特性に合ったトレーニングを考え、試してみましょう。
◆「常に力んでしまうのでリラックスして走れる方法があれば教えて下さい」
→おそらく、XXタイプでありながら、これだけのパワー・スピードが出せる体力や技術がある半面、力み、疲労しやすいのかもしれません。
→プライオメトリックス、初動負荷トレーニング、ウェーブ走(ON・OFF感覚、フロート感の習得)などによって、筋力に頼らず力を発揮する動き方・感覚を身につける、慣性で走る動き・感覚を身につける、ことが有効と考えます。
◆「力んでしまう原因に慢性的な肩こりがあるように思うのですが肩こりを取れれば力みは取れますか?」
→「力み⇔肩こり」の悪循環があるかもしれません。決めつけてはいけませんが、XXタイプの特性から強く速い筋収縮が苦手なのに、他の体力や技術によっ てパワー・スピードが出せるので、どうしても力みやすく、肩こりなどの症状が出るのかもしれません。肩こりを取って力みを取る、というよりも、力まず力を 出せる、力に頼らずスピードを出せる動き・感覚を身につけることで、肩こりにならないようにする、という方向性がよいかもしれません。
◆「最近は腹筋の側面が重要視されてきましたが、短距離走で特に必要な筋群の種類とトレーニング方法を教えて下さい」
→個別の筋群の強化よりも、体幹全体、走りにつながる筋収縮の仕方で負荷をかけるトレーニングを考えてはどうでしょうか。個人的な考えですが、 15~20分のやや速い持久走、あるいは60分以上のジョギングは、短距離走者であっても、支持姿勢、支持力を強化する、ある意味、”体幹トレ”になるの ではないか、と考えます。長距離走は、着地時の衝撃が体重の4倍程度になり、それが数千歩も繰り返されるのは、なかなかの筋トレ負荷と考えますが、いかが でしょうか。(短中距離走者にとって長距離走は”筋トレ”になる!という考えです)
→もちろん、いわゆる腹筋の様々なバリエーションで、体幹の筋群を鍛えておくことは有効と考えます。
◆「ピッチが遅いのでピッチを高めれる方法を教えて下さい」
→やはりXXタイプの特性から、ピッチを速くするのは難しいのかもしれません。逆に言うと、ストライドが強みになるのではないでしょうか。そこを伸ばす こと(反発力利用&スイング動作のパワー強化とタイミング習得)も重視しながら、ピッチを高めるトレーニングとしては、パワーマックスで軽い負荷での全速 回転、坂下り走、牽引走などはどうでしょうか。
◆「練習メニューの組み立てを教えて下さい」
→これは、かなりイロイロな意見交換をしなければ、適切なお答えはできないと考えます。ですが、週3回のパターンで、少し提案させていただきます。あくまでも、ご参考程度にしていただければ、と思います。
①全速走&瞬発力(学習)&力まず走る感:スプリントドリル→T.T.50-100-200(-100-50)→プライオメトリック系Tr(技術的)→ウェーブ走50~150(10~20mおき)×3~5
②力まず走る感&瞬発力(強化):スプリントドリル→加速走・フロート走50×3-100×3-150×3(-100×3-50×3)→プライオメトリック系Tr(強化的)
③乳酸系での力まず走る感&エネルギー系強化:スプリントドリル→ウェーブ走300(50mおき)×3~5→タイヤ引き(初動負荷的)→最大筋力トレまたは補強トレ(サーキット系)→B.up300~400×1~3
※その他、”すき間”時間で、リバウンドジャンプ、スクワットジャンプ、腕立てジャンプ、切り返し意識の各種補強運動、などはいかがでしょうか。
※可能ならば、週2回、朝に「15~20分のやや速い(ややきつい)ランニング+スタート練習」もおススメです。
◆「トレーニング後のケア、栄養補給、睡眠の方法を教えて下さい」
→回復力向上&基礎スタミナ(脂肪利用能力)向上をねらって、練習の最後に5~10分のやや速いジョギング、風呂上がり後のストレッチング(できれば PNF的に)、あるいは就寝前の軽い筋トレ&ストレッチング、食事では、練習した日のお昼や夕食にしっかりとタンパク質摂取(卵を1日に3個以上 もおススメ)、などと考えます。
→睡眠については、雑誌やインターネットでいろいろと情報がありますので、ご自分に合うものをまずは試してみて、その反応・結果を分析・評価して、徐々 に自分スタイルの睡眠方法を確立していっていただきたいと思います。情報を実際に試してみる、自分に合うかどうか分析・評価する、ことが大事で、すぐに答 えを求め過ぎず、決め付けず、いろいろ面白がりながら試行錯誤していきましょう。

 

以上、一つ一つのお答えには、不十分で、あるいは根拠も不足しているものもあるかと心配しますが、遺伝子タイプをもとにして、アドバイスを試みてみました。
せっかくの個人で取り組める陸上競技です。遺伝子テストの結果や、今回のこれらのアドバイスも一つのヒントとして、自分の考えや自分のやり方を試せることを面白がって、ベストパフォーマンスの発揮にチャレンジしてほしいと願って応援しております。

 

 

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